遺産分割協議書の書き方を9つのポイントで完全解説|遠距離の相続人がいても進められる作成方法

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遺産分割協議書の書き方を9つのポイントで完全解説|遠距離の相続人がいても進められる作成方法

遺産分割協議書の書き方がわからず困っている方は少なくありません。特に相続人が遠方に散らばっている場合、「全員で集まって話し合う時間が取れない」「誰がどう書けばよいのかわからない」と手続きが止まってしまうケースもよく見られます。

遺産分割協議書は、相続人全員で財産の分け方を話し合った内容を書面にまとめたもので、不動産の相続登記や、預貯金の名義変更・解約に欠かせない重要な書類です。この記事では、遺産分割協議書の書き方を必要なケース・記載事項・押印のルールから整理したうえで、遠距離に住む相続人がいる場合の署名・捺印の集め方、提出先、よくあるトラブルまで完全解説します。

結論を先取りすると、相続人全員が一堂に会さなくても、書類を郵送でやり取りする方法で遺産分割協議書は作成できます。以下で詳しく見ていきましょう。

こんな方におすすめ

  • 親が亡くなり、これから遺産分割協議書を作成する方
  • 相続人が全国に散らばっており、集まって話し合うのが難しい方
  • 遺産分割協議書に何を書けばよいかわからない方
  • 実印・印鑑証明書のルールがよくわからない方
  • 自分で作成すべきか専門家に依頼すべきか迷っている方


この記事でわかること

  • 遺産分割協議書とは何か、なぜ必要なのか
  • 遺産分割協議書が必要なケース・不要なケース
  • 遺産分割協議書の記載事項・書き方
  • 実印・印鑑証明書のルール
  • 遠距離の相続人がいる場合の署名・捺印の集め方
  • 作成時によくあるトラブルと専門家への依頼の判断基準

遺産分割協議書とは|なぜ作成が必要なのか

遺産分割協議書とは、相続人全員で遺産の分け方を話し合った「遺産分割協議」の結果を書面にまとめたものです。法定相続分と異なる割合で遺産を分ける場合や、不動産・預貯金の名義変更手続きを進める場合に必要になります。

不動産の相続登記や金融機関での解約手続きでは、「相続人全員が合意している」ことを客観的に証明する書類として遺産分割協議書の提出が求められるのが一般的です。詳しい制度概要は、法務省の「不動産を相続した方へ ~相続登記・遺産分割を進めましょう~」で確認できます。実家の相続手続き全体の流れは、実家の相続手続き一覧|親が亡くなったらやることで詳しく解説しています。

遺言書がない場合、必ず相続人全員の合意が必要になる

亡くなった親が遺言書を残していなかった場合、法律上、相続財産は相続人全員の「共有」の状態になり、誰がどの財産を取得するかを決めるには全員の合意が欠かせません。一人でも反対する相続人がいると、その財産の名義変更手続きは進められなくなります。遺産分割協議書は、この全員合意を証明するための唯一の手段といえる重要な書類です。

遺産分割協議書が必要なケース・不要なケース

遺産分割協議書が必要かどうかは、相続人の人数や遺言書の有無、分け方によって変わります

ケース 作成の要否
相続人が1人だけ(単独相続) 不要
有効な遺言書があり、その内容通りに分ける 原則不要
法定相続分どおりに分ける 原則不要(ただし作成しておくと安心)
不動産があり、法定相続分と異なる割合で分ける 必要
預貯金のみで、相続人間で合意した内容を明確にしたい 必須ではないが推奨

法定相続分どおりに分ける場合は法律上作成が必須ではありませんが、「後から言った言わない」のトラブルを避けるため、実務上は作成しておくケースがほとんどです。

遺言があっても遺留分には注意が必要

遺言書があり形式的には遺産分割協議書が不要な場合でも、相続人の取り分が遺留分(法律上最低限保証された取り分)を下回っていると、他の相続人から遺留分侵害額請求をされる可能性があります。遺言の内容によっては、後日のトラブルを避けるため、あらためて相続人間で話し合いの場を持っておくと安心です。遺留分侵害額請求の詳しい制度内容については、今後公開予定の関連記事でも解説していく予定です。

遺産分割協議書の書き方・記載事項

遺産分割協議書の書き方に法律上決まった書式はなく、手書き・パソコン作成のどちらでも構いません。ただし、相続財産の内容を正確に特定できるよう記載する必要があります。

遺産分割協議書に記載する主な事項

  • 被相続人(亡くなった方)の氏名・死亡日・本籍・最後の住所
  • 相続人全員の氏名・住所
  • 不動産は登記事項証明書のとおりの所在・地番・家屋番号等
  • 預貯金は金融機関名・支店名・口座種別・口座番号
  • 誰が何をどの割合で相続するかの具体的な内容
  • 協議が成立した日付
  • 相続人全員の署名と実印による押印

特に不動産については、住所ではなく登記事項証明書に記載されたとおりの所在・地番で記載する必要があります。記載内容に誤りがあると相続登記の申請が受け付けられないことがあるため、事前に登記事項証明書を取得して正確に転記しましょう。書き方の具体例は、法務局の「登記申請手続のご案内(相続登記①/遺産分割協議編)」にひな形が掲載されています。

複数ページになる場合は契印を押す

遺産分割協議書が見開き1枚に収まらず複数ページになる場合は、ホチキス止めをしたうえで、ページの継ぎ目に相続人全員の実印で契印を押すのが一般的です。契印によって、後からページが差し替えられていないことを証明できます。

書き間違えた場合は訂正印より作り直しが確実

署名・押印後に記載内容の誤りに気づいた場合、訂正印で対応することも不可能ではありませんが、相続人全員の訂正印が必要になり手間がかかるため、誤りが見つかった時点で該当ページを作り直すほうが確実です。特に不動産の地番など、登記に直結する部分は慎重に確認しましょう。

実印・印鑑証明書のルール

遺産分割協議書には、相続人全員が実印で押印し、印鑑証明書を添付するのが基本です。認印では、不動産の相続登記や金融機関の手続きに使用できないことがほとんどです。

印鑑証明書に有効期限はある?

印鑑証明書そのものに法律上の有効期限はありませんが、金融機関の相続手続きでは「発行後3ヶ月〜6ヶ月以内」など、提出先ごとに独自の期限を設けているケースが多くあります。手続きを開始する直前に、あらためて印鑑証明書を取得し直すと安心です。

印鑑証明書は協議書に綴じ込む必要はない

遺産分割協議書と印鑑証明書は別々の書類として提出すればよく、ホチキスなどで一体に綴じる必要はありません。提出先によって求められる部数が異なるため、事前に必要な通数を確認しておきましょう。

遠距離に相続人がいる場合の署名・捺印の集め方

相続人全員が一堂に会する必要はなく、電話やオンラインで話し合った内容を、郵送でやり取りしながら署名・捺印を集める方法が広く使われています。

方式 特徴
持ち回り方式 1通の遺産分割協議書を、相続人の間で順番に郵送して署名・押印していく
遺産分割協議証明書方式 同じ内容の書類を相続人の人数分作成し、各自が自分の1通にだけ署名・押印する

相続人の人数が多い場合や、関係性が疎遠な親族が含まれる場合は、「遺産分割協議証明書」方式のほうが、郵送の往復回数を減らせて手続きがスムーズに進むことがあります。全員分がそろえば、相続登記や金融機関の手続きに使用できます。

郵送する際は簡易書留・レターパックプラスを使う

遺産分割協議書・印鑑証明書は個人情報を含む重要書類のため、配達状況を追跡でき、手渡しで届く簡易書留やレターパックプラスで郵送することをおすすめします。普通郵便で紛失してしまうと、再手配に時間がかかり、相続手続き全体が遅れる原因になります。

兄弟で実家の売却も検討している場合

実家の不動産を含む遺産分割協議を進めている場合、分割方法によっては、実家をどう扱うか(誰が相続し、売却するか賃貸に出すか)まで合わせて話し合っておくと、後々の手続きがスムーズです。兄弟間で実家売却の合意を得る進め方については、兄弟で実家を売却するときの同意とトラブル対処法で詳しく解説しています。

オンライン会議を活用して事前に合意形成をしておく

署名・押印の郵送を始める前に、ビデオ通話を使って相続人全員で顔を合わせ、分割内容にあらかじめ合意しておくことをおすすめします。合意内容が固まらないまま書類だけを郵送してしまうと、途中で「やはり納得できない」と差し戻しが発生し、かえって時間がかかってしまうことがあります。オンライン会議で認識をすり合わせてから、正式な書面を回覧する順番で進めると効率的です。

相続税申告の期限に協議が間に合わない場合の対応

相続税の申告・納税期限は「相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」と定められています。この期限までに遺産分割協議がまとまらない場合でも、申告自体は行わなければなりません。

「未分割」のまま申告し、後日修正する方法がある

協議が長引いている場合は、いったん法定相続分どおりに分割したものとみなして相続税を申告し、協議がまとまった後に修正申告・更正の請求を行うという方法が用意されています。ただし、この方法では配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など、一部の税制優遇が申告期限内に受けられなくなる場合があるため、早めに税理士へ相談しておくことをおすすめします。小規模宅地等の特例については、空き家の相続税対策|小規模宅地等の特例とはで詳しく解説しています。

遺産分割協議書の提出先・使い道

完成した遺産分割協議書は、相続登記・預貯金の解約・相続税の申告など、複数の場面で提出することになります。

遺産分割協議書の主な提出先

  • 法務局(不動産の相続登記の申請時)
  • 金融機関(預貯金の解約・名義変更の手続き時)
  • 税務署(相続税の申告が必要な場合)
  • 証券会社(株式等の名義変更手続き時)
  • 陸運局(自動車の名義変更手続き時)

自動車や株式も名義変更に遺産分割協議書が必要

不動産や預貯金だけでなく、故人名義の自動車や株式・投資信託の名義変更にも、原則として遺産分割協議書の提出が求められます。自動車は査定額が一定額以下であれば簡易な手続きで済む場合もありますが、株式・投資信託は証券会社ごとに必要書類が細かく定められているため、事前に各社のウェブサイトや窓口で確認しておきましょう。

提出先によって原本を提出するか、コピーで対応できるかが異なるため、あらかじめ複数部を作成しておくか、原本還付の手続きを確認しておくと二度手間を防げます。

原本還付を利用すれば1通の原本を使い回せる

法務局や金融機関の多くは、原本とコピーをあわせて提出し、原本を返却してもらう「原本還付」の手続きに対応しています。この仕組みを利用すれば、遺産分割協議書の原本を何通も作成しなくても、1通の原本を複数の手続き先で使い回すことができます。提出先ごとにコピーを用意する手間はかかりますが、相続人全員の押印を何度も集め直す必要がなくなる分、結果的に効率的です。

遺産分割協議書の作成でよくあるトラブル・注意点

作成の過程では、相続人間の意見の食い違いや、手続き上の見落としによるトラブルが起こりがちです。

相続人の一人が協議に応じてくれない

連絡が取れない、あるいは話し合いに応じてくれない相続人がいる場合、遺産分割協議は成立しません。この場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることも選択肢になります。感情的な対立が深い場合は、早めに弁護士や司法書士に相談しましょう。

連絡先がわからない相続人がいる場合

長年疎遠になっている親族が相続人に含まれている場合、戸籍の附票を取得することで、その相続人の現住所を調べられます。住所が判明したら、まずは事情を説明する丁寧な手紙を送り、返信をお願いする形で連絡を取るのが一般的です。それでも連絡がつかない場合は、司法書士や弁護士に調査・連絡の代行を依頼する方法もあります。

後から新たな財産が見つかった

協議成立後に新たな預金口座や不動産が見つかった場合、その財産についてあらためて協議が必要になります。あらかじめ「本協議書に記載のない財産が見つかった場合は、別途協議する」旨の一文を入れておくと、後日の対応がスムーズになります。

数次相続が発生している場合は特に注意が必要

相続手続きを進めている途中で相続人の一人が亡くなり、その相続人の相続人が新たに協議に加わる「数次相続」が発生することがあります。関係者が増え手続きが複雑になるため、こうしたケースでは専門家に相談することを強くおすすめします。

相続人に未成年者がいる場合は特別代理人が必要

相続人の中に未成年者が含まれる場合、親権者が同時に相続人でもあると利益相反にあたるため、家庭裁判所で「特別代理人」の選任を受ける必要があります。特別代理人が選任されて初めて、その未成年者に代わって遺産分割協議に参加できるようになります。手続きに時間がかかることが多いため、該当する場合は早めに準備を始めましょう。

自分で作成するか、専門家に依頼するかの判断基準

遺産分割協議書は自分で作成することも可能ですが、状況によっては専門家への依頼を検討したほうがよい場合もあります。

状況 向いている選択
相続人が少なく、財産の内容もシンプル 自分で作成
不動産が複数ある、評価が複雑 司法書士・税理士に相談
相続人間の意見が対立している 弁護士に相談
数次相続・相続人に未成年者がいる等、法律関係が複雑 専門家に依頼

不動産の相続登記まで見据えている場合は、司法書士に遺産分割協議書の作成から登記まで一括で依頼すると、記載内容の不備を防ぎやすくなります。費用はかかりますが、手続きのやり直しによる時間のロスを考えると、結果的に効率的なケースも多くあります。

相続した実家をどうするか迷ったら|まずは査定額を確認しよう

遺産分割協議がまとまり、実家を相続したものの活用方法に迷っている場合は、まず査定額を確認してから今後の方針を決めることをおすすめします。

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遺産分割協議書を作成するまでの流れ

step
1
相続人・相続財産を確定する

戸籍謄本一式を取得し、法定相続人と相続財産の全体像を把握します。

step
2
相続人全員で分け方を話し合う

電話・オンライン会議も活用し、全員の合意を目指します。

step
3
遺産分割協議書を作成する

不動産は登記事項証明書のとおりに、預貯金は口座情報を正確に記載します。

step
4
相続人全員が実印で押印する

遠方の相続人には、持ち回りまたは遺産分割協議証明書方式で郵送します。

step
5
印鑑証明書を添えて提出する

法務局・金融機関など、提出先ごとに必要書類を確認します。

step
6
相続登記・預貯金の解約手続きを進める

不動産がある場合は、2024年4月から義務化された相続登記も忘れずに行います。

遺産分割協議書に関するよくある質問

Q. 遺産分割協議書はどんな場合に必要ですか?


法定相続分と異なる割合で遺産を分ける場合や、不動産・預貯金の名義変更手続きを行う場合に必要です。相続人が1人だけの場合や、有効な遺言書がある場合は原則不要です。

Q. 遺産分割協議書はパソコンで作成してもいいですか?


はい、法律上決まった書式はなく、手書き・パソコン作成のどちらでも有効です。相続財産を正確に特定できる記載内容であれば問題ありません。

Q. 押印は実印でなければいけませんか?


不動産の相続登記や金融機関の手続きに使う場合は、実印での押印と印鑑証明書の添付が必要です。認印では手続きが進められないことがほとんどです。

Q. 相続人が遠方に住んでいて集まれません。どうすればいいですか?


全員で集まる必要はなく、電話やオンラインで話し合った内容を郵送でやり取りして署名・捺印を集めることができます。持ち回り方式か、遺産分割協議証明書方式を検討しましょう。

Q. 印鑑証明書に有効期限はありますか?


印鑑証明書自体に法律上の有効期限はありませんが、金融機関によっては発行後3ヶ月〜6ヶ月以内のものを求めることが多いため、手続き直前に取得し直すと安心です。

Q. 遺産分割協議書は何通作成すればいいですか?


提出先の数に応じて必要な通数が変わります。原本還付の手続きを利用できる場合もあるため、法務局や金融機関にあらかじめ確認しておきましょう。

Q. 相続人の一人が協議に応じてくれません。どうすればいいですか?


話し合いだけで解決しない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる方法があります。対立が深刻な場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

Q. 法定相続分どおりに分ける場合も作成すべきですか?


法律上は不要ですが、「全員が合意した」ことを証拠として残すために作成しておくことをおすすめします。後日のトラブル防止に役立ちます。

Q. 協議成立後に新しい財産が見つかったらどうなりますか?


見つかった財産について、あらためて遺産分割協議を行う必要があります。協議書に「記載外の財産が見つかった場合は別途協議する」という一文を入れておくと対応がスムーズです。

Q. 数次相続とは何ですか?


遺産分割協議が終わる前に相続人の一人が亡くなり、その相続人の相続人が新たに協議に加わることを指します。関係者が増え手続きが複雑になるため、専門家への相談をおすすめします。

Q. 自分で作成するのが不安な場合、誰に相談すればいいですか?


不動産の相続登記まで見据えるなら司法書士、相続税が関わるなら税理士、相続人間で対立があるなら弁護士への相談が向いています。状況に応じて適切な専門家を選びましょう。

Q. 遺産分割協議書に不備があるとどうなりますか?


不動産の所在・地番の記載誤りなどがあると、相続登記の申請が受け付けられないことがあります。登記事項証明書をもとに正確に転記し、不安な場合は司法書士に確認してもらいましょう。

Q. 郵送でやり取りする際、封筒は普通郵便でもいいですか?


重要書類のため、追跡可能で手渡しとなる簡易書留やレターパックプラスの利用をおすすめします。普通郵便で紛失すると、再手配に時間がかかり手続き全体が遅れてしまいます。

Q. 相続税の申告期限までに遺産分割協議がまとまらない場合はどうすればいいですか?


法定相続分どおりに分割したものとみなして申告期限内に申告し、協議がまとまった後で修正申告を行う方法があります。ただし一部の税制優遇が期限内に受けられなくなることがあるため、早めに税理士に相談しましょう。

Q. 遺産分割協議書に押印した後に、記載の誤りに気づきました。どうすればいいですか?


相続人全員の訂正印で対応することも可能ですが、手間がかかるため、該当ページを作り直すほうが確実です。特に不動産の地番など登記に関わる部分は慎重に確認しましょう。

Q. 遺言書がある場合でも遺産分割協議書を作ったほうがいいですか?


遺言書の内容通りに進める場合は不要ですが、相続人全員が遺言と異なる分け方に合意する場合は、あらためて遺産分割協議書の作成が必要になります。

Q. 相続人に未成年者がいる場合、どうすればいいですか?


親権者が同時に相続人である場合は利益相反となるため、家庭裁判所で特別代理人の選任を受ける必要があります。選任には時間がかかることが多いため、該当する場合は早めに手続きを始めましょう。

Q. 自動車や株式の名義変更にも遺産分割協議書は必要ですか?


原則として必要です。自動車は査定額によって簡易な手続きで済む場合もありますが、株式・投資信託は証券会社ごとに必要書類が異なるため、事前に確認しておきましょう。

Q. 遺言書があるのに遺留分を侵害している場合はどうなりますか?


遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額請求を行うことができます。遺言があっても後日のトラブルを避けるため、相続人間であらためて話し合いの場を持っておくと安心です。請求できる期間にも制限があるため、心当たりがある場合は早めに専門家へ相談しましょう。

Q. 連絡先がわからない相続人がいる場合はどうすればいいですか?


戸籍の附票を取得すれば、その相続人の現住所を調べることができます。住所が判明したら手紙で事情を伝え、連絡がつかない場合は司法書士や弁護士に調査・連絡の代行を依頼する方法もあります。

まとめ|遺産分割協議書の書き方を押さえ、遠距離でも着実に手続きを進めよう

遺産分割協議書作成のチェックリスト

  • 作成が必要なケース・不要なケースを理解する
  • 不動産は登記事項証明書のとおりに正確に記載する
  • 相続人全員が実印で押印し、印鑑証明書を添付する
  • 複数ページになる場合は契印を押す
  • 遠方の相続人がいる場合は郵送での持ち回りを検討する
  • 相続人の人数が多い場合は遺産分割協議証明書方式も検討する
  • 提出先ごとに必要な通数・原本還付の可否を確認する
  • 相続人間の対立や数次相続がある場合は専門家に相談する
  • 不動産を含む場合は今後の活用方針もあわせて話し合う
  • 相続税申告の期限(10ヶ月以内)に間に合わない場合の対応も知っておく
  • 記載の誤りは訂正印より作り直しのほうが確実と心得ておく
  • 連絡先が分からない相続人がいる場合は戸籍の附票で調査する

遺産分割協議書の書き方には決まった書式はありませんが、記載事項の正確さと、相続人全員の実印・印鑑証明書の準備が欠かせません。相続人が遠方に散らばっていても、郵送でのやり取りを活用すれば、無理なく手続きを進めることができます。

相続税の申告期限が近づいている場合でも、未分割のまま申告し、後日修正するという選択肢があることを知っておくだけで、心理的な焦りを軽減できます。焦って内容の薄い協議を進めるより、必要な手順を踏みながら着実に進めることを優先しましょう。

不動産・預貯金・自動車・株式など、名義変更が必要な財産は多岐にわたりますが、基本となる遺産分割協議書を1通しっかり作成しておけば、原本還付の仕組みを使って複数の手続きに対応できます。最初の一歩を丁寧に進めることが、その後の手続き全体をスムーズにする一番の近道です。焦らず一つずつ、確実に進めていきましょう。

内容が複雑な場合や、相続人間で意見が食い違う場合は、一人で抱え込まず、司法書士や弁護士などの専門家に早めに相談することが、結果的にスムーズな解決につながります。遠距離に住んでいることを理由に対応を後回しにせず、できるところから一歩ずつ進めていきましょう。

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