介護と仕事の両立は、遠距離介護をしている多くの方が直面する大きな課題です。総務省の就業構造基本調査によると、介護・看護を理由に離職した人は年間約10.6万人にのぼり、5年前の調査より約7,000人増加しています。
「親の介護が始まったら、仕事は辞めるしかないのだろうか」——そう思い詰めてしまう方は少なくありません。しかし、介護休業・介護休暇といった法律で定められた制度を正しく理解し活用すれば、介護と仕事の両立を諦めずに済むケースは数多くあります。この記事では、介護休業・介護休暇の制度内容、2025年の法改正のポイント、給付金の申請方法、会社への伝え方から、遠距離介護ならではの両立の工夫まで完全解説します。
結論を先取りすると、介護は突然始まり長期化することが多いため、「まず辞める」のではなく、まず制度を使い倒すことを検討するのが鉄則です。以下で詳しく見ていきましょう。
こんな方におすすめ
- 親の介護が始まり、仕事を続けられるか不安な方
- 介護休業・介護休暇の制度内容や違いを知りたい方
- 介護休業給付金の金額や申請方法を知りたい方
- 会社にどう伝えればよいか悩んでいる方
- 遠距離介護と仕事を両立する工夫を知りたい方
この記事でわかること
- 介護離職の現状と、離職前に知っておきたいこと
- 介護休業制度(93日・3分割・給付金67%)の内容
- 介護休暇制度(年5〜10日・時間単位取得)の内容
- 2025年の育児・介護休業法改正のポイント
- 介護休業給付金の申請方法・金額シミュレーション
- 会社への伝え方と、遠距離介護ならではの両立の工夫
介護と仕事の両立|介護離職の現状とまず知っておきたいこと
総務省「就業構造基本調査」によると、介護・看護を理由とした離職者は年間約10.6万人にのぼり、その多くを女性・50代が占めています。詳しい調査結果は、総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」結果の概要で確認できます。
介護を機に離職すると、収入が途絶えるだけでなく、社会保険の扶養や将来の年金額にも影響が及ぶことがあります。また、いったん介護に専念する生活に入ると、介護が終わった後の再就職が想像以上に難しいという声も多く聞かれます。
介護は先が見えないことが多く、「辞めればなんとかなる」という判断は、後になって後悔につながりやすい選択でもあります。まずは介護休業・介護休暇といった制度で乗り切れないか、会社に相談することから始めましょう。
介護離職後に「後悔している」という声も多い
介護を機に離職した方の中には、介護が落ち着いた後になって「収入が途絶えたことで生活が苦しくなった」「再就職先が見つからず、想定より長く無職の期間が続いた」と振り返る方が少なくありません。介護そのものは数年で状況が変わることもありますが、一度手放したキャリアや収入を取り戻すのは簡単ではないという現実も知っておく必要があります。
「両立」の形は一つではない
介護と仕事の両立といっても、フルタイムのまま続ける、時短勤務に切り替える、部署異動やテレワーク中心の働き方に変えるなど、選択肢は一つではありません。「今の働き方のまま続けられるか」だけで判断せず、働き方そのものを見直す余地がないかも会社に相談してみる価値があります。
会社に相談する前に地域包括支援センターにも相談しておく
会社に制度の相談をする前に、親が住む地域の地域包括支援センターに連絡し、介護保険サービスの利用体制についてある程度見通しを立てておくと、会社への説明がより具体的になります。「介護保険サービスをこう組み合わせれば、この程度の頻度で帰省すれば対応できそうだ」という見通しがあると、会社側も必要な配慮をイメージしやすくなります。
介護休業制度とは|対象家族1人につき通算93日まで取得可能
介護休業は、要介護状態の家族を介護するために、対象家族1人につき通算93日まで、最大3回に分割して取得できる休業制度です。育児・介護休業法に基づき、要件を満たす労働者は誰でも取得できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取得できる日数 | 対象家族1人につき通算93日まで |
| 分割取得 | 最大3回まで分割可能 |
| 対象家族 | 配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫など |
| 給付金 | 介護休業給付金(休業開始時賃金日額×支給日数×67%) |
93日という日数は「介護を最初から最後まで自分で行うための期間」ではなく、介護保険サービスの利用体制を整えるなど、両立のための準備期間として使うことを想定した制度設計になっています。介護保険の申請方法については、介護保険の申請方法|親が遠方に住む場合で詳しく解説しています。
介護休業給付金は賃金の67%が目安
介護休業を取得した場合、雇用保険から休業開始時賃金日額の67%に相当する介護休業給付金が支給されます。給付額には上限・下限があり、支給単位期間ごとに一定額を超える場合は上限額が適用されます。休業中も社会保険料(健康保険・厚生年金の本人負担分)は納付が必要な点も押さえておきましょう。
93日を「3分割」できることの実務的なメリット
93日を1回でまとめて使い切るのではなく、最大3回に分けて取得できることは、実務上大きなメリットになります。たとえば、①要介護認定の申請や施設探しなど初動対応に1回目、②症状が急変したタイミングで2回目、③看取りの前後で3回目、というように、介護の局面に合わせて休業を温存しながら使うことができます。最初にまとめて使い切ってしまうと、本当に必要なタイミングで休業が取れなくなるため、計画的に配分することを意識しましょう。
対象となる家族の範囲は意外と広い
介護休業の対象となる「対象家族」には、配偶者・父母・子だけでなく、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫まで含まれます。同居・扶養の有無は要件になっていないため、遠距離に住む親のためだけでなく、義理の父母の介護のために取得することも可能です。
介護休暇制度とは|介護休業との違い
介護休暇は、通院の付き添いや役所の手続きなど、短期的な用事のために取得する休暇です。長期の休みを取る介護休業とは目的も日数も異なります。
| 項目 | 介護休業 | 介護休暇 |
|---|---|---|
| 目的 | 長期的な介護体制を整えるため | 通院同行・手続きなど短期の用事のため |
| 日数 | 対象家族1人につき通算93日 | 対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日 |
| 取得単位 | 原則まとまった日数 | 1日単位または時間単位 |
| 給付金 | あり(賃金の67%) | なし(会社によっては有給の場合も) |
介護休暇は時間単位でも取得できるため、「午前中だけ役所に付き添う」「ケアマネジャーとの面談だけ参加する」といった柔軟な使い方が可能です。遠距離介護の場合は、帰省日に合わせて介護休暇を組み合わせて使うと、有給休暇を温存しやすくなります。
介護休業と介護休暇は併用できる
この2つの制度は別枠の制度のため、併用することが可能です。たとえば、施設探しや在宅介護の体制づくりに介護休業を使い、その後の通院同行などの細かい用事には介護休暇を使う、という組み合わせ方ができます。
有給休暇との使い分けも考えておく
介護休暇は無給になる場合が多いため、「今日だけ休みたい」という場面では、有給休暇と介護休暇のどちらを使うか迷うこともあります。介護休暇は年5〜10日という限られた日数のため、頻繁に半日単位の用事が発生する場合は、まず有給休暇を使い、介護休暇は「有給を使い切った後の備え」として温存しておく考え方もあります。会社の給与規定によって扱いが異なるため、人事担当者に確認しておくと安心です。
2025年4月・10月施行|育児・介護休業法改正のポイント
2025年に施行された育児・介護休業法の改正により、介護離職を防ぐための企業の対応義務が強化されました。
2025年法改正の主なポイント
- 介護に直面した労働者への個別周知・意向確認が事業主の義務に
- 40歳到達時など介護に直面する前の早期の情報提供が求められるように
- 継続雇用期間6ヶ月未満の労働者も介護休暇を取得可能に
- 要介護の家族を介護する労働者へのテレワーク導入が事業主の努力義務に
詳しい改正内容は、厚生労働省の「介護休業制度特設サイト|法改正のポイント」で確認できます。「介護に直面した」と会社に伝えれば、会社側が制度の説明や利用意向の確認を行うことが義務化されたため、以前より会社に相談しやすい環境が整いつつあります。
40歳になったら会社からの情報提供に注目する
改正により、40歳に達する年度など早い段階で、会社から介護休業制度に関する情報提供が行われるようになりました。まだ介護に直面していなくても、この情報提供のタイミングで自社の制度を確認しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
介護休業給付金の申請方法とシミュレーション
介護休業給付金は、勤務先を通じてハローワークに申請するのが基本的な流れです。
介護休業給付金の申請の流れ
- 会社に介護休業の取得を申し出る(原則2週間前まで)
- 介護休業を開始する
- 介護休業終了後、会社を通じてハローワークに給付金を申請する
- 審査を経て、指定口座に給付金が振り込まれる
給付金額のシミュレーション例
月収25万円程度(休業開始時賃金日額約8,300円)の方が93日間の介護休業を取得した場合、「8,300円×93日×67%」で計算すると、支給額の目安はおおよそ51万円台になります。実際の金額は賞与を除く直近6ヶ月の総支給額をもとに計算されるため、正確な金額は勤務先やハローワークに確認しましょう。
申請に必要な書類と期限の目安
介護休業給付金の申請には、休業開始時賃金月額証明書、介護休業給付金支給申請書、対象家族の氏名・続柄や要介護状態を確認できる書類などが必要になるのが一般的です。申請は介護休業終了後にまとめて行うことが多く、会社側で書類を準備してくれるケースがほとんどですが、対象家族の状況を確認する書類(住民票の写しなど)は自分で用意する必要がある場合もあるため、早めに会社の担当者に確認しておきましょう。
介護と仕事の両立を進めるための会社への伝え方
介護と仕事の両立を実現するためには、早めに上司や人事に状況を伝え、利用できる制度を確認することが重要です。
「まだ大丈夫」と抱え込まず、早めに相談する
介護が始まったばかりの時期は、「まだ自分で何とかなる」と一人で抱え込んでしまいがちです。しかし、介護は先が読めず、状況が急に悪化することもあります。制度を使うかどうかは後で判断すればよいので、まずは早い段階で会社に相談し、選択肢を把握しておきましょう。
人事担当者に伝えるべき情報を整理しておく
相談の際は、親の要介護度、想定される介護の期間、希望する働き方(時短・テレワーク・休業など)を整理して伝えると、話がスムーズに進みます。2025年の法改正により、介護に直面した旨を伝えれば会社側が制度の説明を行う義務があるため、遠慮せずに申し出て問題ありません。
同僚への配慮と業務の引き継ぎ方
介護休業・休暇の取得は労働者の権利ですが、業務を引き継ぐ同僚への配慮も、その後の職場での関係を良好に保つうえで大切です。休業前に、担当業務の進捗状況や連絡先を整理した引き継ぎ資料を作成しておく、緊急時の連絡方法を決めておくといった準備をしておくと、周囲の理解も得やすくなります。
上司が制度に詳しくない場合は人事に直接相談する
会社によっては、直属の上司が介護休業制度に詳しくないケースもあります。そのような場合は、人事部門に直接問い合わせるか、社内の相談窓口を利用しましょう。中小企業など専門の相談窓口がない場合は、最寄りの労働局や労働基準監督署に設置されている総合労働相談コーナーでも、制度について相談できます。
遠距離介護と仕事を両立するための工夫
遠距離介護の場合、介護休業・介護休暇に加えて、テレワークや時差出勤も組み合わせることで、無理のない両立体制を作りやすくなります。
テレワークを活用して帰省中も業務を続ける
2025年の法改正で努力義務化されたテレワークを活用できれば、帰省中も一定の業務を続けながら親の様子を見守ることができます。長期休業を使い切ってしまう前に、テレワークでの対応が可能か会社に相談してみましょう。
介護休暇は帰省のタイミングに合わせて使う
時間単位で取得できる介護休暇は、「新幹線の移動時間だけ休暇を取る」「ケアマネジャーとの面談の時間だけ休む」といった使い方に向いています。ケアマネジャーとの面談日程を、あらかじめ帰省のタイミングに合わせて調整してもらう工夫については、ケアマネジャーの選び方・変更方法完全ガイドで詳しく解説しています。
介護サービスを使い倒し、自分がやることを減らす
仕事との両立を考えるなら、「自分がすべて介護する」のではなく、介護保険サービスやケアマネジャーを頼り、自分にしかできないことに時間を使うという発想の転換が重要です。訪問介護・デイサービスなどを積極的に活用し、自分の役割を「介護の実行者」から「介護のマネジメント役」に切り替えていきましょう。
会社の独自制度(介護休暇の有給化・交通費補助等)も確認する
法律で定められた最低限の制度に加えて、会社によっては介護休暇を有給扱いにしていたり、帰省にかかる交通費を補助する独自の福利厚生制度を設けていたりすることがあります。就業規則や福利厚生の一覧を一度確認し、法定制度以外に使える支援がないか調べてみる価値があります。
介護離職を選ぶ前に検討したい選択肢
どうしても両立が難しいと感じたときも、退職以外の選択肢を一通り検討してから判断することをおすすめします。
離職前に検討したい選択肢
- 介護休業・介護休暇をまだ使い切っていないか確認する
- 時短勤務・フレックスタイム・テレワークなど働き方の変更を相談する
- 訪問介護・デイサービスなど介護保険サービスの利用を増やせないか検討する
- 老人ホーム・介護施設への入居を検討する
- 兄弟姉妹と役割・費用を分担できないか話し合う
在宅生活の継続が難しいと感じる場合は、施設入居も含めて選択肢を広げて考えることで、無理な自己犠牲を避けられます。施設の費用相場やタイプ別の特徴は、老人ホーム・介護施設の費用相場と選び方で詳しく解説しています。
両立が難しいと感じたら|まずは介護サービス全体の情報を集めよう
介護と仕事の両立に限界を感じたときこそ、一人で抱え込まず、介護サービス全体の情報を集めることが次の一歩の選択肢を広げます。
介護と仕事を両立させるための手続きの流れ
step
1会社に介護に直面した旨を伝える
会社側から制度の説明・意向確認を受けられます(2025年法改正で義務化)。
step
2介護保険の要介護認定を申請する
介護サービスの利用体制を整えるため、早めに申請しておきます。
step
3介護休業・介護休暇の利用を検討する
まとまった準備期間が必要なら介護休業、細かい用事には介護休暇を使います。
step
4ケアマネジャーと相談し、サービス体制を整える
訪問介護・デイサービスなどを組み合わせ、自分の負担を減らします。
step
5テレワーク・時短勤務など働き方の変更を相談する
長期的に両立するため、働き方そのものの見直しも検討します。
step
6介護休業給付金を申請する
介護休業を取得した場合は、会社を通じてハローワークに申請します。
介護と仕事の両立に関するよくある質問
Q. 介護休業は何日まで取得できますか?
対象家族1人につき通算93日まで、最大3回に分割して取得できます。一度にまとめて取る必要はなく、介護の状況に応じて分割して使うことができます。
Q. 介護休業給付金はいくらもらえますか?
休業開始時賃金日額の67%が目安です。給付額には上限・下限があるため、正確な金額は勤務先やハローワークに確認しましょう。
Q. 介護休業と介護休暇はどう違いますか?
介護休業は長期的な体制づくりのための休業(通算93日)、介護休暇は通院同行など短期の用事のための休暇(年5〜10日)です。介護休暇は時間単位でも取得できます。
Q. 介護休暇に給付金はありますか?
介護休業給付金の対象ではありません。介護休暇中の賃金は法律上無給でも問題ありませんが、会社の就業規則によっては有給としている場合もあります。
Q. 入社したばかりでも介護休業・介護休暇は取得できますか?
2025年法改正により、介護休暇は継続雇用期間6ヶ月未満の労働者も取得できるようになりました。介護休業についても、労使協定で除外されていない限り、原則として取得可能です。
Q. 会社にどう伝えれば介護休業を取得しやすいですか?
親の要介護度、想定される介護期間、希望する働き方を整理したうえで、早めに上司・人事に相談するとスムーズです。2025年の法改正により、介護に直面した旨を伝えれば会社側が制度説明・意向確認を行う義務があります。
Q. テレワークは介護中でも必ず使えますか?
2025年法改正でテレワーク導入は事業主の努力義務となりましたが、義務化ではありません。導入状況は会社によって異なるため、まずは自社の制度を確認してみましょう。
Q. 遠距離介護の場合、どの制度を優先的に使うべきですか?
介護保険サービスの利用体制を整える初期段階では介護休業、その後の通院同行や帰省時の対応には介護休暇を使う組み合わせが一般的です。テレワークが使えるなら、あわせて活用しましょう。
Q. 介護休業を取得すると、その後の評価に影響しますか?
法律上、介護休業の取得を理由とした不利益な取り扱いは禁止されています。不当な評価や配置転換があった場合は、社内の相談窓口や労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。
Q. 兄弟姉妹がいる場合、介護休業は誰が取得すべきですか?
法律上の決まりはなく、兄弟姉妹それぞれが要件を満たせば、同じ家族の介護のために別々に取得することも可能です。誰がどのタイミングで休業を使うか、役割分担を事前に話し合っておくとよいでしょう。
Q. パート・契約社員でも介護休業・介護休暇は取得できますか?
一定の要件を満たせば、雇用形態にかかわらず取得できます。労使協定によって対象外とされる場合もあるため、自社の就業規則や労使協定の内容を確認しておきましょう。
Q. 介護休業給付金の申請は自分で行う必要がありますか?
多くの場合、勤務先の担当者が手続きを代行してくれます。必要書類の準備など、自分で対応すべき部分もあるため、会社の担当者に申請の流れを確認しておきましょう。
Q. 介護休業中に別の家族の介護が必要になった場合はどうなりますか?
対象家族が異なれば、それぞれ別枠で介護休業を取得できます。同時に複数の家族の介護が必要になった場合は、会社の人事担当者に個別の状況を相談しましょう。
Q. 40歳になったら何をすればいいですか?
2025年法改正により、40歳到達時に会社から介護制度の情報提供が行われるようになりました。まだ介護に直面していなくても、この機会に自社の介護休業・介護休暇制度の内容を確認しておくと安心です。
Q. 上司が介護休業制度に詳しくない場合はどうすればいいですか?
人事部門に直接相談するか、社内の相談窓口を利用しましょう。専門の窓口がない中小企業などの場合は、最寄りの労働局や労働基準監督署の総合労働相談コーナーでも制度について相談できます。
Q. 介護休業を分割して取得するメリットは何ですか?
介護の局面(初動対応・症状の急変時・看取り前後など)に合わせて休業を温存しながら使える点が大きなメリットです。最初にまとめて使い切ってしまうと、本当に必要なタイミングで休業が取れなくなるおそれがあるため、計画的に配分しましょう。
Q. 介護休業給付金の申請にはどのような書類が必要ですか?
休業開始時賃金月額証明書、支給申請書、対象家族の続柄や要介護状態を確認できる書類などが一般的に必要です。多くは会社が準備しますが、住民票の写しなど自分で用意する書類もあるため、早めに担当者へ確認しておきましょう。
Q. 会社に独自の介護支援制度があるか、どう確認すればいいですか?
就業規則や福利厚生の一覧を確認するか、人事部門に直接問い合わせましょう。介護休暇の有給化や帰省交通費の補助など、法定の最低基準を上回る独自制度を設けている会社もあります。
まとめ|介護と仕事の両立は、制度を知り使い倒すことから始めよう
介護と仕事の両立チェックリスト
- 介護休業(通算93日・3分割可)と介護休暇(年5〜10日)の違いを理解する
- 介護休業給付金(賃金の67%)の金額目安を把握する
- 2025年法改正で会社の対応義務が強化されたことを知っておく
- 早めに会社へ相談し、利用できる制度を確認する
- テレワーク・時短勤務など働き方の見直しも相談する
- 介護保険サービスを使い倒し、自分の役割をマネジメント役に切り替える
- 離職前に、施設入居など他の選択肢も一通り検討する
- 兄弟姉妹がいる場合は役割分担を話し合っておく
- 制度取得を理由とした不利益取り扱いは禁止されていると知っておく
- 介護休業は3分割できることを踏まえ、計画的に配分する
- 上司が制度に詳しくない場合は人事部門や労働局にも相談する
介護と仕事の両立は簡単なことではありませんが、介護休業・介護休暇・テレワークといった制度を組み合わせ、介護保険サービスをうまく活用すれば、離職せずに乗り切れる可能性は十分にあります。まずは会社に相談し、自分が使える制度をひとつずつ確認するところから始めましょう。
介護の局面は一度きりではなく、初動対応・状態の変化・看取り前後など、何段階かに分かれて訪れることが多いものです。だからこそ、最初の局面だけで制度を使い切らず、先を見据えて計画的に活用することが、長い介護生活を乗り切る鍵になります。
会社の制度、地域の介護保険サービス、そして家族の協力——この3つをバランスよく組み合わせることが、遠距離介護と仕事を長く両立させるための現実的な方法です。今は関係ないと感じていても、いつか自分の身に降りかかるかもしれないテーマとして、早いうちから制度の存在だけでも知っておくことをおすすめします。
2025年の法改正により、会社側にも介護離職を防ぐための対応義務が課されるようになりました。一人で抱え込まず、会社の制度と地域の介護サービスの両方を味方につけて、無理のない両立を目指しましょう。
遠距離介護の準備・制度についてはこちら
遠距離介護の全体的な準備については、以下の記事で詳しく解説しています。
→ 遠距離介護のやり方・準備すること完全ガイド
介護保険の申請方法については、以下の記事もあわせてご覧ください。
→ 介護保険の申請方法|親が遠方に住む場合
ケアマネジャーとの連携については、以下の記事で詳しく解説しています。
→ ケアマネジャーの選び方・変更方法完全ガイド