実家の賃貸活用ガイド|5つの方法と費用相場・注意点を完全解説

空き家・実家売却

実家の賃貸活用ガイド|5つの方法と費用相場・注意点を完全解説

実家の賃貸活用は、「相続した実家をすぐに売る決断はできないが、空き家のまま放置するのも不安」という方にとって、有力な選択肢のひとつです。管理の手間や固定資産税の負担を抱えながら空き家にしておくより、人に貸すことで収入を得ながら建物の劣化も防げるというメリットがあります。

一方で、この方法にはリフォーム費用や管理委託の手数料、耐震基準の確認、確定申告といった検討事項も多く、「売却」とは異なる知識が必要になります。この記事では、実家を賃貸に出す具体的な方法とその費用相場、注意点、そして売却との判断基準まで、遠距離に住みながら実家の活用を検討している方に向けて完全解説します。

結論を先取りすると、立地の賃貸需要さえ見込めれば、遠距離に住んでいても管理会社やサブリース会社をうまく活用することで実家の賃貸活用は十分に実現できます。以下で具体的な進め方を順番に見ていきましょう。

こんな方におすすめ

  • 実家を相続したが、まだ売却するかどうか決めかねている方
  • 空き家のまま放置するより、収入を得ながら活用したい方
  • 賃貸に出す場合の初期費用や管理の手間がどれくらいか知りたい方
  • 遠距離に住んでいても管理を任せられる方法を探している方
  • 賃貸と売却、どちらが自分に合っているか判断基準を知りたい方


この記事でわかること

  • 実家を賃貸に出す3つの方法(自主管理・管理委託・サブリース)の違い
  • 賃貸に出すまでにかかる初期費用の相場
  • 管理委託・サブリースを使う場合の費用相場と選び方
  • 賃貸に出す際に確認すべき耐震基準・住宅ローンなどの注意点
  • 不動産所得が発生した場合の確定申告の基礎知識
  • 賃貸と売却、どちらが自分に合っているかの判断基準

実家を賃貸に出す3つの方法|自主管理・管理委託・サブリースの違い

実家の賃貸活用を検討する場合、まず「誰が入居者対応や物件管理を行うか」によって、大きく3つの方法に分かれます。遠距離に住んでいる場合は、自主管理は現実的に難しいため、管理委託かサブリースを選ぶケースがほとんどです。

方法 管理の主体 家賃収入 向いているケース
①自主管理 所有者自身 満額(管理費用なし) 実家の近くに住んでいる、時間的余裕がある方
②管理委託 管理会社(入居者募集・トラブル対応を代行) 家賃の95%程度(手数料5%前後を差し引き) 遠距離だが、収益はできるだけ多く確保したい方
③サブリース サブリース会社が一括で借り上げ、入居者に転貸 家賃相場の80〜90%程度(保証賃料) 空室リスクを避け、手間を最小限にしたい方

遠距離で実家を賃貸に出す場合、②の管理委託を選ぶオーナーが最も多いとされています。入居者募集や日常のクレーム対応を管理会社に任せながら、家賃収入の大部分を確保できるためです。③のサブリースは、空室でも一定額の賃料が保証される安心感がある一方、保証賃料が相場より低めに設定される点に注意が必要です。

ここがポイント


サブリース契約では、数年ごとに保証賃料が見直される(減額される)条項が入っていることが一般的です。契約前に、保証賃料の見直し時期や条件、中途解約時の違約金の有無を必ず確認しましょう。

賃貸需要が見込みやすい実家の特徴

実家の賃貸活用を成功させやすいのは、駅やバス停から近い、周辺に生活インフラ(スーパー・病院等)が整っている、地域の人口が急激に減っていないなど、一定の賃貸需要が見込める立地の実家です。逆に、公共交通機関がなく車の運転が前提になる立地や、周辺に空き家が目立つエリアでは、入居者が見つかりにくい傾向があります。

賃貸需要の見込みが分からない場合は、複数の管理会社・仲介会社に「この立地でどのくらいの家賃・期間で入居者が見込めるか」を事前にヒアリングしておくことをおすすめします。需要が乏しいと判断された場合は、無理に賃貸化を進めず、売却を検討したほうが結果的に負担が少なくなることもあります。

賃貸に出すまでにかかる初期費用の相場

実家を賃貸に出す前には、多くの場合リフォームや原状回復のための初期費用が発生します。親が長年住んでいた家をそのまま貸すことは難しく、入居者が住める状態に整える必要があるためです。

工事内容 費用の目安
クロス(壁紙)・畳・フローリングの張り替え 50万円〜150万円
水回り(キッチン・浴室・トイレ)の交換 100万円〜300万円
外壁・屋根の補修 50万円〜200万円
耐震診断・耐震補強工事(必要な場合) 診断5万円〜、補強工事100万円〜

すべてを最新設備にリフォームする必要はなく、最低限の原状回復と水回りの点検だけで貸し出すケースも多くあります。まずは管理会社や仲介会社に現地を見てもらい、「このまま貸せる状態か」「どこまで直せば貸せるか」を見積もってもらうのが現実的な進め方です。

1981年6月以前に建てられた家は耐震基準に注意

実家が1981年5月31日以前に建築確認を受けた「旧耐震基準」の建物である場合、入居希望者から敬遠されたり、賃貸仲介会社によっては耐震診断や補強を求められたりすることがあります。1981年6月1日以降に建築確認を受けた「新耐震基準」の建物かどうかは、建築確認済証や登記簿の情報から確認できます。

家財・残置物の処分も先に済ませておく

親が長年暮らしていた実家には、家具・家電・衣類などの家財が残っていることがほとんどです。賃貸に出す前提であれば、これらの家財はリフォームに着手する前に処分・整理しておく必要があります。思い出の品や貴重品を仕分けながら片付けるのは手間がかかる作業のため、遺品整理業者に依頼するオーナーも少なくありません。費用相場や業者の選び方は、遺品整理の費用相場・業者選びガイドで詳しく解説しています。

初期費用を抑える「DIY型賃貸借」という選択肢

オーナー側のリフォーム費用を抑えたい場合は、入居者自身が費用を負担して内装をカスタマイズする「DIY型賃貸借」という契約形態も選択肢になります。入居者が自分の好みでリフォームできる代わりに家賃を相場より抑える、原状回復義務を一部免除するといった条件を設定することで、古い実家でも借り手が見つかりやすくなるケースがあります。導入する場合は、退去時のトラブルを避けるため、施工範囲や原状回復の要否を契約書に明記しておくことが重要です。

管理委託・サブリースを使う場合の費用相場と選び方

遠距離で実家を貸し出す場合、管理会社への委託は実質的に必須といえます。管理委託の手数料は、一般的に家賃の5%前後が相場です。

管理会社が対応してくれる主な業務

  • 入居者の募集・広告掲載
  • 入居審査・契約手続き
  • 家賃の集金・オーナーへの送金
  • 入居者からのクレーム・トラブル対応
  • 設備の故障対応・修繕の手配
  • 退去時の立会い・原状回復の手配

管理会社を選ぶ際は、手数料の金額だけでなく対応エリアに実家が含まれているか、実績や口コミ、緊急対応の体制を比較することが大切です。複数社に見積もりを依頼し、対応の丁寧さや説明の分かりやすさも判断材料にするとよいでしょう。

サブリースを検討する場合の注意点


サブリース契約は空室でも一定の賃料が保証される反面、保証賃料は相場家賃より低く設定され、数年ごとに減額改定されることが一般的です。国土交通省は賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(サブリース新法)で、契約前の重要事項説明を義務付けています。契約書だけでなく、担当者から受ける重要事項説明の内容もしっかり確認しましょう。

実家を賃貸に出す際に確認すべき注意点

賃貸活用を始める前に、以下の点も忘れずに確認しておきましょう。

賃貸に出す前の確認事項チェックリスト

  • 住宅ローンが残っていないか(残っている場合、原則として賃貸への転用には金融機関の承諾が必要)
  • 再建築不可物件(接道条件を満たさない土地)に該当しないか
  • 相続人が複数いる場合、賃貸に出すことについて全員の同意が得られているか
  • 火災保険・地震保険が賃貸用のプランになっているか
  • 将来的に売却する可能性がある場合、入居者がいる状態(オーナーチェンジ)での売却条件

特に、相続人が複数いる場合は、賃貸に出す方針についても事前に合意を得ておくことが重要です。賃貸収入の分配や、将来売却する際の意思決定で後からトラブルになるケースもあるため、書面で方針を残しておくと安心です。兄弟間で実家の扱いについて意見が分かれやすいケースの対処法は、兄弟で実家を売却するときの同意とトラブル対処法でも解説しています。

制度面の詳細は、国土交通省の「空き家を売る・貸す際に活用できる制度」でも確認できます。

普通借家契約と定期借家契約の違い

賃貸契約には、大きく分けて「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。将来的に売却や自己使用を考えているかどうかで、どちらを選ぶべきかが変わります。

契約形態 特徴 向いているケース
普通借家契約 正当な事由がない限り、貸主から更新を拒否できない 長期的に安定した賃貸収入を得たい場合
定期借家契約 契約期間の満了で確実に契約が終了し、更新されない 数年後に売却や自己使用を予定している場合

「いずれは売却するかもしれない」という方は、定期借家契約を選んでおくと、契約期間満了後に空き家に戻して売却しやすくなります。ただし、定期借家契約は入居希望者にとって敬遠されやすく、普通借家契約より家賃相場がやや低くなる傾向がある点も踏まえて検討しましょう。

不動産所得が発生した場合の確定申告の基礎知識

実家を賃貸に出して家賃収入を得ると、「不動産所得」として確定申告が必要になります。給与所得者であっても、不動産所得を含めた所得が一定額を超える場合は申告義務が生じるため注意しましょう。

不動産所得の必要経費になるもの(例) 備考
管理会社への管理委託手数料 家賃の5%前後
固定資産税・都市計画税 賃貸用でも課税対象
火災保険料 賃貸用プランの保険料
修繕費 入居者対応の設備修理等
減価償却費 建物の取得費用を耐用年数で按分

不動産所得は「総収入金額-必要経費」で計算し、白色申告なら収支内訳書、青色申告なら青色申告決算書を確定申告書とあわせて提出します。詳しい計算方法は、国税庁の「不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」で確認できます。実際の申告にあたっては、税理士に相談することをおすすめします。

青色申告を選ぶメリット

実家1戸のみを貸し出す場合でも、青色申告を選択すれば最大10万円の青色申告特別控除を受けられます。アパート等を含めて「5棟10室基準」と呼ばれる事業的規模の要件を満たす場合は、e-Taxでの電子申告と組み合わせることで最大65万円の控除も可能です。青色申告には事前の届出(開業届・青色申告承認申請書の提出)が必要なため、賃貸を始めることが決まった段階で早めに税務署へ相談しておくとよいでしょう。

賃貸と売却、どちらが得か|判断基準の目安

実家をどうするか迷ったときは、賃貸と売却それぞれのメリット・デメリットを整理しておくと判断しやすくなります。

選択肢 メリット デメリット
賃貸に出す 継続的な収入が得られる、将来また住む選択肢を残せる 初期費用がかかる、空室リスク・管理の手間がある、不動産所得の申告が必要
売却する まとまった資金が得られる、管理の手間から解放される 手放すと将来使えなくなる、譲渡所得税がかかる場合がある

目安として、立地条件がよく賃貸需要が見込める地域では賃貸活用、需要が乏しい地方や、初期費用の負担が重い場合は売却が合理的な判断になりやすい傾向があります。まずは不動産会社に「賃貸に出した場合の想定家賃」と「売却した場合の査定額」の両方を確認し、比較してから決めることをおすすめします。実家の売却にかかる費用・税金の相場は、実家売却にかかる費用・税金の相場で詳しく解説しています。

また、貸すか売るかを決めかねている間も、実家の管理は必要です。賃貸に出す方針が固まるまでの管理方法については、空き家の管理方法|放置リスクと遠距離でもできる管理サービス完全ガイドもあわせてご覧ください。

実家の賃貸活用による収支シミュレーション例

実際にどの程度の収支になるのか、家賃8万円の戸建てを管理委託で貸し出す場合を例に、年間の収支をシミュレーションしてみましょう。

項目 年間の金額目安
家賃収入(月8万円×12か月) +960,000円
管理委託手数料(家賃の5%) −48,000円
固定資産税・都市計画税 −100,000円程度
火災保険料(賃貸用) −20,000円程度
修繕積立の目安 −50,000円程度
年間の手取り目安 約742,000円

この例では、年間70万円台の手取り収入が見込める計算になりますが、これは満室で稼働した場合の目安です。実際には空室期間や入居者の入れ替わりに伴う原状回復費用も発生するため、初期費用(リフォーム代)を何年で回収できるかを事前に試算しておくことが、賃貸活用を長続きさせるポイントです。

空室が続いた場合に備えておきたいこと

賃貸経営には、入居者が決まるまでの空室期間は家賃収入がゼロになるというリスクがつきまといます。特に地方の実家では、都市部に比べて入居者が決まるまでの期間が長引きやすい傾向があります。

空室リスクに備えるための考え方

  • 空室が半年〜1年続いても固定資産税・保険料を払い続けられるか、事前に資金計画を立てておく
  • 周辺の家賃相場より高すぎる設定になっていないか、管理会社と定期的に見直す
  • 空室保証があるサブリースへの切り替えも選択肢として検討する
  • 長期間の空室が続く場合は、売却への方針転換も視野に入れる

初期費用は何年くらいで回収できるか

リフォームなどの初期費用が100万円かかった場合、年間の手取り収入が70万円台であれば、単純計算で2年目には初期費用を回収できる見込みになります。ただし、これはあくまで満室で稼働し続けた場合の目安であり、実際には空室期間や退去時の原状回復費用が発生するため、回収期間は3〜4年程度を見込んでおくと安心です。回収期間の見通しが立ちにくい場合は、初期費用を抑えられる範囲でリフォームを行い、様子を見ながら追加投資を検討する進め方も選択肢のひとつです。

実家を賃貸に出すまでの手続きの流れ

step
1
住宅ローンの有無・相続人全員の同意を確認する

賃貸への転用にあたり、住宅ローンが残っている場合は金融機関への確認、相続人が複数いる場合は全員の同意を得ておきます。

step
2
管理会社・仲介会社に現地を見てもらい査定を依頼する

複数の管理会社・仲介会社に現地を見てもらい、想定家賃、必要なリフォーム内容、管理委託手数料の見積もりを比較します。

step
3
必要なリフォーム・原状回復を行う

見積もりをもとに、必要最低限のリフォームや修繕を行います。過剰な設備投資は回収に時間がかかるため、管理会社のアドバイスを参考にしましょう。

step
4
管理会社と契約し、入居者募集を開始する

管理委託契約またはサブリース契約を結び、入居者の募集を開始します。

step
5
家賃収入が発生したら確定申告の準備をする

入居者が決まり家賃収入が発生したら、必要経費の領収書などを整理し、翌年の確定申告に備えます。

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賃貸活用を検討する場合も、まずは「売却したらいくらになるか」を知っておくと判断材料が増えます。想定家賃と売却額を比較したうえで、どちらが自分たちの状況に合っているか検討してみましょう。

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実家の賃貸活用に関するよくある質問

Q. 実家を賃貸に出すのに、リフォームは必ず必要ですか?


必ずしもフルリフォームが必要というわけではありません。クリーニングと簡単な原状回復だけで貸し出せるケースもあります。管理会社や仲介会社に現地を見てもらい、地域の賃貸需要に見合った範囲でリフォームの要否を判断することをおすすめします。

Q. 住宅ローンが残っている実家でも賃貸に出せますか?


住宅ローン(居住用)が残っている場合、無断で賃貸に出すと契約違反になる可能性があるため、事前に金融機関に相談が必要です。金融機関によっては、賃貸併用への借り換えなどの対応をしてもらえる場合もあります。

Q. 管理委託とサブリース、どちらが収益は多くなりますか?


一般的には管理委託のほうが家賃の95%程度を受け取れるため収益は多くなりますが、空室期間は収入がゼロになります。サブリースは保証賃料が家賃相場の80〜90%程度に下がる代わりに、空室でも収入が保証される安心感があります。

Q. 実家を賃貸に出した後、やっぱり売却することはできますか?


可能です。ただし入居者がいる状態(オーナーチェンジ)での売却になるため、空き家として売却する場合と比べて買い手が限定されたり、価格が下がったりすることがあります。売却を視野に入れている場合は、契約時に定期借家契約(契約期間の定めがあり、更新のない賃貸借契約)を検討するのもひとつの方法です。

Q. 実家が古い(旧耐震基準)場合でも貸すことはできますか?


貸すこと自体は可能ですが、入居希望者から敬遠されたり、家賃を相場より下げざるを得なかったりする可能性があります。耐震診断を受けたうえで、補強工事を行うか、そのままの状態で貸すかを管理会社と相談して決めるとよいでしょう。

Q. 賃貸収入が少額でも確定申告は必要ですか?


給与所得者の場合、給与以外の所得(不動産所得を含む)の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。20万円以下であっても、住民税の申告は別途必要になる場合があるため、市区町村へ確認しておきましょう。

Q. 遠距離に住んでいても入居者とのトラブルに対応できますか?


管理委託やサブリースを利用していれば、日常的なクレーム対応やトラブル対応は管理会社が窓口になるため、遠距離でも問題ありません。契約前に、緊急時の連絡フローや対応可能時間を確認しておくと安心です。

Q. 普通借家契約と定期借家契約はあとから変更できますか?


契約中の形態を途中で変更することは基本的にできません。次の入居者との契約更新・再契約のタイミングで、あらためて普通借家契約にするか定期借家契約にするかを選び直すことになります。将来の方針が固まっていない場合は、管理会社に相談しながら決めるとよいでしょう。

Q. リフォーム費用を抑える方法はありますか?


水回りなど入居者が特に気にする箇所を優先し、内装は最低限のクリーニング・クロス張り替えにとどめることで費用を抑えられます。複数の工務店・リフォーム会社から相見積もりを取り、管理会社が提携しているリフォーム会社があれば、あわせて比較検討するとよいでしょう。

Q. 自治体の空き家バンクに賃貸物件として登録することはできますか?


はい、多くの自治体の空き家バンクでは売却物件だけでなく賃貸物件としての登録も受け付けています。特に移住希望者向けの物件情報として掲載されるため、通常の賃貸サイトとは異なる層の入居希望者に情報を届けられる可能性があります。空き家バンクの窓口については、記事「空き家の管理方法」でも紹介しています。

Q. 実家を貸すのと、更地にして駐車場などで活用するのはどちらがよいですか?


一概にどちらがよいとは言えず、立地の賃貸需要、解体費用、固定資産税の軽減特例が使えなくなる点などを総合的に比較する必要があります。建物を解体して更地にすると住宅用地の固定資産税の軽減特例が受けられなくなり、税負担が増えるケースもあるため、解体前に不動産会社や税理士に相談することをおすすめします。

Q. 空室が長期間続いた場合、途中で管理会社を変更できますか?


契約期間の縛りがなければ、管理会社の変更は可能です。ただし管理委託契約に最低契約期間や解約予告期間が定められている場合があるため、契約書の解約条項を事前に確認しておきましょう。変更を検討する際は、なぜ入居者が決まらないのか(家賃設定・物件の魅力・広告の出し方など)を管理会社に確認したうえで判断することをおすすめします。

Q. 賃貸に出す実家が遠方で、内見の立ち会いができません。どうすればいいですか?


管理会社や仲介会社が内見対応を代行してくれるため、オーナーが現地に立ち会う必要は基本的にありません。契約や重要事項説明も、郵送やオンラインでのやり取りで完結できる会社が増えています。契約前に、非対面でのやり取りにどこまで対応してもらえるか確認しておくと安心です。年に一度程度は自分でも現地を訪れ、物件の状態を直接確認しておくと、より安心して賃貸活用を続けられます。

Q. 実家の賃貸活用と売却、まず何から始めればいいですか?


まずは「貸した場合の想定家賃」と「売った場合の査定額」の両方を、複数の会社から無料で見積もってもらうことから始めるのがおすすめです。同じ不動産会社でも賃貸仲介部門と売買仲介部門の両方を持っている場合があるため、1社に両方の見積もりを依頼できないか聞いてみるのも効率的な進め方です。

Q. 賃貸に出す前に、近隣への挨拶は必要ですか?


法律上の義務ではありませんが、親が長年お世話になっていた近隣であれば、入居者が変わることを一言伝えておくとトラブル防止につながります。管理会社によっては、オーナーに代わって近隣への挨拶や告知を代行してくれる場合もあるため、契約前に相談しておくとよいでしょう。

まとめ|実家の賃貸活用は収支シミュレーションと合意形成がカギ

実家を賃貸に出す前のチェックリスト

  • 自主管理・管理委託・サブリースのどれが自分の状況に合うか整理する
  • リフォーム・原状回復にかかる初期費用の見積もりを取る
  • 住宅ローンの有無・相続人全員の同意を確認する
  • 旧耐震基準の建物かどうかを確認する
  • 不動産所得の確定申告が必要になることを理解しておく
  • 賃貸と売却、両方の収支を比較してから判断する
  • 普通借家契約と定期借家契約、どちらが自分の将来計画に合うか検討する
  • 家財・残置物の整理を先に済ませておく
  • 空室が続いた場合の資金計画をあらかじめ立てておく
  • 複数の管理会社・仲介会社に見積もりと想定家賃をヒアリングする

実家の賃貸活用は、空き家のまま放置するリスクを避けながら収入を得られる選択肢ですが、初期費用や管理の手間、確定申告といった検討事項も伴います。まずは複数の管理会社・仲介会社に相談し、想定家賃と初期費用の見積もりを取ったうえで、売却との比較も含めて家族でじっくり方針を話し合うことをおすすめします。

賃貸活用は一度始めたら後戻りできないわけではなく、数年間貸し出してから改めて売却を検討する、というステップを踏むことも十分可能です。まずは無理のない範囲でシミュレーションを行い、実家にとって、そして家族にとって納得のいく選択肢を選んでいきましょう。判断に迷ったときは、一人で抱え込まず、兄弟姉妹や専門家に相談しながら少しずつ方針を固めていくことが、後悔のない結論につながります。

遠距離に住んでいると、リフォームの立ち会いや入居者対応に不安を感じるかもしれませんが、管理会社・仲介会社・税理士といった専門家をうまく頼ることで、現地に何度も足を運ばなくても実家の賃貸活用を進めることは十分可能です。焦らず一つずつ手続きを進めていきましょう。

実家の管理・売却についてはこちら


賃貸に出すかどうかを検討している間の実家の管理方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
空き家の管理方法|放置リスクと遠距離でもできる管理サービス完全ガイド
実家を売却する際の手続きと流れについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
実家売却の手続きと流れ完全ガイド

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